こんにちは、MIWAKOです♪
さて、皆さんは今通販サイトと充実したサービスを提供している商業施設の誕生で、数多くのデパートが閉店に追い込まれていることをご存じですか?
閉店に追い込まれているのは個人経営のお店だけでなく、大手企業のお店も例外ではなく、岐阜のタカシマヤも閉店しています。
加えてこれらの閉店理由には、出店地域の様々な事情も絡んでいるようなので、この記事ではそんな閉店理由も紹介しています。
岐阜高島屋の本当の閉店理由は?
25年前には柳ヶ瀬にまだ高島屋、長崎屋、センサ、メルサもあったが次々と閉店。昨年ついに岐阜県唯一の百貨店の岐阜高島屋も閉店。
だが、2年前に高島屋南商店街にはグラッスル柳ヶ瀬が建っている。 20年前から閉店して廃ビルと化していた長崎屋跡地は広場に変わる工事中。街は変わり続ける。 https://t.co/gTJRH1sPnx pic.twitter.com/2Or8dumZnb— はら@しばわんこ (@sibawanko2011) June 8, 2025
岐阜高島屋が閉店した理由は、建物の老朽化と経営不振です。
デパートの中には年間4000億円以上稼ぐものもあれば、売上が100億円に届かないレベルのものも存在し、岐阜県の高島屋の閉店直後の売上は130億円前後とも言われています。
一見多そうに見えますが、デパートは運営しているだけで普通の店舗などと比較して数倍の人件費や光熱費がかかります。
そのため、多少売上が良いというだけでは経営できないことも多く、岐阜高島屋ほどの床面積の広さなら空調料金だけで年間5000万円ほどかかる場合があります。
これらに加えて人件費など諸々の諸経費を合算すると売上のほとんどが消えてしまい、晩年の岐阜高島屋の純粋営業利益は1億円前後ということがインタビューから分かっています。
仮に営業利益1億円の中から岐阜高島屋の建物の修繕費を捻出しようとすると、赤字になる可能性のほうが高いと言えます。
その理由は、デパートのような大型建造物は過去の事例から1000平方メートル当たり1000万円から2000万円ほどの修繕費用がかかることが分かっているからです。
つまり床面積4120平方メートルある高島屋は、売上1年間分の費用を捻出しなければならないことになります。
仮に修繕したとしても、売上が回復する目途もないので、赤字損害をさらに拡大する危険性を排除するためにも、修繕するよりか閉店したほうが良いと判断したのでしょう。
岐阜高島屋の本当の経緯は?
岐阜高島屋の経営が良かったのは、設立当初の1977年から1991年までの14年間だと言われています。
こうなってしまった理由は、岐阜高島屋には無い商品を別の高島屋で売ってしまったからです。
特に名古屋駅にできたJR名古屋高島屋の影響は大きく、同じ企業内で別の店舗を潰す切っ掛けを与えてしまいました。
JR名古屋駅高島屋には高級志向の商品が多数売られており、1991年のバブル崩壊直前までは激安志向の岐阜高島屋よりもJR名古屋駅高島屋に人気が集中する傾向にありました。
そして経済バブルが弾けた後に襲い掛かってきたのが、1997年の通販サイト設立です。
現在は楽天市場ですが、当時はエム・ディ・エムという名前で運営されており、日本の通販市場の先駆けともなった存在です。
そして1998年にはAMAZONが日本でのサービスを開始し、2000年には日本専用のAMAZON.co.jpが設立されました。
したがって、今までのように近隣のデパートだけがライバルになるような時代ではなく、通販サイトの価格も考慮した上で商品の値段やラインナップを考えなければならないようになりました。
対して岐阜高島屋は、高島屋全体を含めオンラインサービスへの提供が追いついているとは言えず、2021年にやっと公式Xのアカウントが設立されたばかりです。
さらに高島屋は商品によって配送料が違い、一度で2000円以上の配送料が必要になる場合があります。
一方AMAZONは会員に加入していれば、商品の多くが配送料無料になるため、利用しやすいと感じる人が多いようです。
また、2000年にはイオンもネットスーパーを設立し、配送料も良心的な上にオリジナルブランドの低価格商品がいくつもあるため、価格でも争えなくなってきました。
極めつけは岐阜県に本店を構えているスーパーバローの存在です。
岐阜県内に16店舗もあるスーパーバローは、オリジナルブランドの商品がとにかく安く、2025年現在には横浜への出店もアナウンスされるほどの大手チェーンのスーパーです。
例えば高島屋では冷凍チャーハンを通販で購入する場合、230グラム7個入りが4158円になりますが、スーパーバローでは350グラムの冷凍五目チャーハンが1個198円で売られています。
1個当たりの値段にすると1つあたり2.5倍ほどの差があるため、節約志向が強くなった現代ではスーパーバローでのお買い物を消費者は望むのではないでしょうか。
このような多角的な事象から、岐阜高島屋の営業は経営不振へと追い込まれてしまい、閉店しなければならなくなったようです。
岐阜高島屋の跡地について
元岐阜高島屋 pic.twitter.com/grOgZQlI9I
— Yasuda (@atsushiy8262) August 12, 2025
岐阜高島屋跡地の利用方法は2025年9月現在発表されていません。
しかし、高島屋が閉店したことで、新規に岐阜県内にスーパーを構えたいという企業が多いらしく、噂では跡地の入札が行われるのではないかとも言われています。
ここまで人気の理由は、岐阜県が比較的所得安定していたり、人口が増加しているとされる名古屋駅に近いからです。
ですが名古屋の人口密度は既に新しいお店を出店できないほどに高くなっており、家賃の問題もあって現実的ではありません。
その点岐阜高島屋の跡地は、名古屋駅かのアクセスも良いので駅利用者からの流入も期待できるとされ、経営者から注目されているようです。
岐阜高島屋の社長についても
岐阜高島屋閉店の教訓「街のインフラ目指せ」 橋本逸郎社長 超百貨店 120年の転機 https://t.co/rPyTxhsRwk
— 日本経済新聞 名古屋編集部 (@nikkeinagoya) August 19, 2024
岐阜高島屋の社長である橋本逸郎氏は、閉店後に高島屋の執行役員に内定しています。
厳しい経営だったとはいえ、長期間経験した社長職の座は、このまま退職させるには惜しい人材と判断したのでしょう。
もしくは、またどこか新しい地域への高島屋参入を準備するために、一度執行役員になった可能性も捨てきれません。
まとめ
さて、今回は岐阜高島屋について紹介してきました。
改めてまとめると、岐阜高島屋は通販サイトの設立や、新しいスーパーの参入によって経営不振に陥り2024年7月をもって閉店しました。
閉店理由の中には同系列のお店にお客を取られるなどの意図せぬ事態に遭うこともありましたが、それでも経済バブルが弾けて以降徐々に売り上げが落ち込んでいったのは事実です。
また、少ない売り上げで店舗の修繕費用を賄うこともできず、例え赤字覚悟で修繕してもお店の売上が回復する保障はないので、閉店は仕方のないことだったのでしょう。
ぜひ機会があれば、岐阜高島屋の社長だった橋本逸郎氏には新しい店舗も担当してみてほしいですね。
それでは最後までお付き合いいただきありがとうございます。
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