さて、岡山県のように観光名所が沢山あると、潰れることなんてないと毎年の旅行を楽しみにする人が多いと思いますが、実は廃業している施設が多いことをご存じですか?
その中でもホテル ラ・レインボーは、巨額の費用をかけて建設されたホテルとして有名で、開設当初は多く観光客が利用していました。
なのに廃業してしまったので、この記事ではホテル ラ・レインボーに何が起きて廃業したのかを紹介しています。
ぜひ最後までゆっくりとご覧になってください。
ホテル ラ・レインボー廃業の経緯は?
今日のドローン🐸🛸
廃墟ホテルとなった「ホテル ラ・レインボー」🏚️
バブル絶頂期に開業したものの1997年に営業停止となりました。
高さ150mのレインボータワーが売りだったようです😊#岡山#倉敷#ホテルラ・レインボー#ドローン#廃墟 pic.twitter.com/bn9ffgXGvy
— 唐津の🐸(簿記論・財務諸表論講師) (@Sakura_Saku1218) December 25, 2020
ホテル ラ・レインボーは、日本ゴルフ開発株式会社が建てたホテルです。
日本ゴルフ開発株式会社は1970年設立して以降、ゴルフ場やホテル開発と運営に携わっていましたが、2006年の倒産と共にホテル ラ・レインボーも廃業しています。
その廃業の大きな原因となっているのが、経済バブルを当てにした運営です。
ゴルフ場は初期費用だけでなく、莫大な維持費用がかかるため、長期的な経済利益を見通した上での運営が必要ですが、バブルが弾けて以降毎年50以上のゴルフ場が閉鎖したり運営を移管したりしています。
仮に運営移管で廃業を免れても、移管した運営がゴルフ場を手放す事例も多いようです。
しかもホテル ラ・レインボーの場合、運営開始初年度の年商は40億円近くあったものの、バブルが弾けた途端に赤字経営に陥り、一時的に盛り返すこともなく1997年に廃業しています。
この廃業は今思えば当然とする見方が強く、バブルが弾けた影響で2002年には倒産企業が最多を記録していました。
そんな不況の中で娯楽としてゴルフを嗜む人が多くなるはずもなく、ゴルフを楽しむために泊まるホテルとしての意味を維持できなくなったホテル ラ・レインボーは、103人いた従業員を巻き込んで2006年に倒産しています。
そしてさらに追い打ちをかけたのが、ADSLを使った高速インターネット回線の全国的な配備です。
インドアで動画や書籍を手軽に読めるような環境になり、ゴルフのようなアウトドアの趣味に固執する必要がなくなっています。
また、ゴルフはオフラインで人とコミュニケーションを取れるところも魅力の一つですが、インターネットでは時間を掛けなくても遠方の人とコミュニケーションが取れます。
このような要因からあえてホテル ラ・レインボーに宿泊してゴルフをする理由が無くなり、利益が少なくなって廃業したのでしょう。
しかし、インターネットが必ずしもホテルやゴルフ場の需要を奪うとは言い切れません。
インターネットを使えば電話応対しなくても予約を取り付けることができるので、その設備を整えられなかったことも原因として考えられます。
ホテル ラ・レインボー解体しない理由は
【岡山・ホテル ラ・レインボー】倉敷市にあった廃ホテル。瀬戸大橋開通後の観光客の宿泊を見込んで建設され、世界一の高さを誇る高さ150mの回転昇降式展望塔が併設されていた。バブル崩壊後の1997年に廃業。荒廃が進んだため2013年解体 pic.twitter.com/cT3Ix1zPjm
— B面 (B級スポット・珍スポットガイド) (@bii_men) November 3, 2020
ホテル ラ・レインボーを解体しない理由は、ゴルフ場だけが運営を移管されて、ホテルの管理者である日本ゴルフ開発株式会社は倒産したからです。
新たに運営されているゴルフ場には、インターネットによる予約システムが配備され、バスルームやレストランなどの設備もあるので、ホテル ラ・レインボーが運営されていたころよりも遥に設備が充実しています。
しかも外部の予約システムには口コミが2000件以上も投稿され評価も高いので、ホテル ラ・レインボーよりも運営に成功していると言えます。
ではなぜホテルも買収しなかったのかというと、不況でゴルフの高額会費に加えて、ホテルの宿泊費用まで支払う旅行者が少なくなると運営側が判断したからだと思います。
皆さんもゴルフはクラブを揃えるだけで高額な費用がかかり、ゴルフ場に行くにも費用がかかるので、お金持ちのスポーツという認識が強く敬遠している人も多いかと思います。
しかしゴルフは旅行するための目的になりますが、ホテルは付近に行楽地がないと宿泊する目的にはなりません。
そこで、新運営はゴルフ場だけを買い取り運営することにしたものと思われます。
対して運営する力を失ったホテル ラ・レインボーは、解体される費用を捻出されることもなく、現在は心霊スポットとして人気がでるほどの廃墟になっています。
しかし、ホテル ラ・レインボーの廃墟は現在立ち入り禁止で、仮に無許可で立ち入った場合は警察に捕まる可能性があります。
ならばなぜ行政が解体しないのかというと、行政が建物所有者に代わって解体するのは、周囲に著しく悪影響を与える場合のみです。
この悪影響の定義は、明確な基準が設けられているわけではありませんが、人命に関わるかどうかが大きなポイントとなります。
ですが、ホテル ラ・レインボーの周囲には住居を含め常に人がいるような施設も存在しないため、行政が介入して解体する可能性はないです。
事実ホテル ラ・レインボーが廃業してから20年以上経過していますが、行政はあくまで危険なので建物には立ち入らないでくださいとの立場を貫いているだけで、解体するとの噂はでてきていません。
ホテル ラ・レインボーの当時の写真は
ホテル ラ・レインボーの当時の写真の中で、よく話題になるのは昇降機の存在です。
ホテルの南西側に設置された昇降機は展望台に行けるようになっており、かなり話題になりました。
しかし、東京タワーやスカイツリーのように景色の良い場所に設置するなら人気が出るはずだったのに、付近はゴルフ場なので、リピーターを獲得するほどの絶景ではなかったため、人気が出ませんでした。
ホテル ラ・レインボーの所有者や社長の現在は?
ホテル ラ・レインボーの社長は大西秀明氏ですが、破産申請後の動向は分かっていません。
ただし、ゴルフ場を買い取った(有)アップフィールズの代表者は小林喜隆氏なので、所有者も同じである可能性が高いです。
一方ホテル ラ・レインボーの所有者は今回の調査で分かっていませんが、破産管財人が管理していると思われます。
破産管財人とは破産申請した人の土地などを管理するための個人や団体で、弁護士が担当することもあります。
したがって、公開されてはいませんが、ホテル ラ・レインボーの破産申し立てを担当した安田修弁護士や加茂善仁弁護士が請け負っていると予想されます。
まとめ
ホテル ラ・レインボーはバブル期に建造されたものの、あまり人気がでることなく、バブルがはじけた途端に経営が極端に悪化して廃業しています。
ゴルフ場付近に建設することで、ゴルファー人気を獲得しようと奮闘したものの、設備が充実していなかったり、インドアの趣味に顧客を取られたりしたので、こちらもあまり人気は出ていません。
しかし、破産申請時に別の企業がゴルフ場だけを買い取り、経営を安定させているので、もしその対応力が運営していた日本ゴルフ開発株式会社にあったなら破産は免れたかもしれませんね。



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